はしご登山!夏の北アルプス縦走 唐松・五竜編 2-3日目 【2015.7.28-8.1】

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緊張の連続!

わたしたちの先行者が滑落事故でヘリ搬送。

明日は我が身と思った、唐松・五竜編 2-3日目。






7/29

4時過ぎに八方池山荘を出発し、1時間弱で八方池に到着。

この頃には陽が昇って周辺が明るくなり、ヘッドライトはザックに仕舞った。

肝心の天候は、晴れでほぼ無風。ただ、ガスは多く発生しており、なかなか途切れなかった。

八方池は静寂で美しいが、白馬三山にはガスがかかっていて、水面には上手く写り込んでいなかった。
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30分ほど待機したが、結局ガスは晴れず、先があるので仕方なく出発。

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ここから先は、登山装備がないと入れない域になる。

ダケカンバの中を進む。樹林帯の中は蒸していて暑い。
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一本道で迷うようなところはない。

唐松岳から下山してきた登山者と多数すれ違った。

高山植物に癒されながら、どんどん進む。
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雪渓も所々残っていた。ガスが多く発生しているのはこのせいかな。

暑くて20-30分おきには水分補給。とにかく汗の量が半端ない。

1か所だけ雪渓を横切る場所があった。
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キックステップで難なく通過。

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予定通りのタイムで丸山ケルンに到着。

白馬三山はガスに巻かれて、見えたと思ったらまた見えなくなっての繰り返し。
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ケルンまでくると、唐松岳頂上山荘まであと少し。
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白馬から唐松までのルート「不帰瞼」が見える。

Ⅱ峰からⅢ峰にかけての部分が見えた。
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険しい山様、遭難や滑落が多いのも頷ける。

その姿を観ていると身が引き締まった。

唐松岳頂上山荘まであと30分ほどというところで、ヘリコプターのプロペラ音が聞こえた。

母と「荷揚げしてるんじゃない?」とか言っていたが、

ヘリを見ると、荷揚げ用ではなく、明らかに救助用。

わたしたちがこれから向かう牛首方面で10分ほどホバリングしていた。

何か事故があったんじゃないかと思いつつもあまり気にせず進んで、唐松岳頂上山荘に到着。
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ガスで見えにくかったが、唐松岳が薄ら見えた。
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その奥には、剱岳も。
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唐松岳頂上山荘でお手洗いを借りて、小休憩。

そうこうしていると、あっという間にガスが濃くなり、唐松岳方面は見えなくなった。

母と「唐松岳は行っても展望も悪そうだし、止めておくか」という話をしていたところ、

ヘルメット装着してハーネスを付けた救助隊の方が「10m滑落して頭部損傷」という話をしているのを耳にした。


やはり、牛首で事故があったのだ。

母とは唐松岳PHは止めて、牛首通過に時間を費やそうという話でまとまった。

ガスが抜けてきたところで気を引き締めて出発。
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最初から、ガレた細い道が続く。

ガスで周囲の景色があまり見えないせいか、あまり高度感は感じなかった。
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ストックは仕舞い、3点支持必須。いつも以上に集中する。

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荷物の重さに振られないように踏ん張る。

「ここで落ちたら死ぬな」と思うような鎖場が何か所もあった。
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1時間半ほどでガレ場と鎖場は通過し、ハイマツ帯に突入。
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ここまで来ると、少しだけホッとした。
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ここからが長い!なかなか遠見尾根が見えてこない。

暑さと精神的な疲れもあり、なかなか進まなかった。

休憩しながら2時間かけてやっと遠見尾根分岐到着。
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直下に赤い屋根が!
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五竜山荘到着~

ここまですっごく集中していたせいか、もの凄くお腹が空いた。

宿泊の手続きをして、部屋に向かう。古い山小屋でとても雰囲気がある。

8畳ぐらいの一室が2段ベッド状になっていて、それが4部屋ずつ向かい合っていた。
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荷物を整理したらお昼御飯。

きのこうどんを頂いた。
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あぁ、体に沁みる。きのこたっぷりで美味しい。

お腹を満たしたら、五竜岳PHに向かった。
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かなりガレガレ。

コースタイム40分のところ1時間ぐらいかけた。

山頂はG0とG1を越えた先にあるG2も越えたさらに先。ひたすら岩によじ登る。

山頂が見えた!と思ったら、山頂は更にこの奥で、ここは鹿島槍方面との分岐。

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で、やっと山頂。
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展望なし。

だが、ここまで来た充実感で心は満たされていた。

母も「岩を登っても登っても着かないから、まだ私に岩を登らせるのか!と思いながら登った。一人じゃなかったから登れた」と。

山頂に一人女性が居て、写真を撮りましょうかと声をかけてくれた。

この旅が始まって以来、初めて母と二人で写真を撮ってもらった。



下山してお茶で一息入れる。

母がジンジャエールをおごってくれたので、喉を潤した。

やはり山で炭酸を飲むのは最高に美味しい。

ここでやっと緊張が解けた。


寝床の用意や荷物の整理をしていると、同室の方がさっき五竜岳山頂で写真を撮ってくれた方だった。

8畳ぐらいの部屋だが、多い時は16人ぐらい寝なきゃいけなくなるらしい。

今回は女性5人だけで、1人1畳は確保できたので良かった。


夕飯のカレーライスを食べて外に出ると、先ほどまでのガスが晴れて、五竜岳がその姿を見せてくれた。
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山荘の中からたくさん人が出て来て、皆で陽が落ちるのを眺めていた。
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写真を撮ってくれた女性と少し仲良くなって、ここまでどうやって来たかとか、明日以降はどうするのかとか話をした。

彼女はソロ登山者で、今日朝一のゴンドラリフトに乗って八方尾根からここまで来たと。途中、滑落事故のあった牛首付近で、点々と残る出血の跡も見たと言っていた。怖

明日は八峰キレットを通って鹿島槍まで縦走する予定だったが天候が悪くなりそうだから諦めるとのこと。

わたしがヤマテンで調べてみると、

ガスは少しあるものの、天候が崩れるのは剱岳方面だけで、鹿島槍や五竜は明日明後日大丈夫との結果だった。

その事を伝えると、急にテンションが上がって「じゃあ、明日鹿島槍に行きます!」と地図を見ながらコースタイムを計算し始めた。

明日、私達は遠見尾根から下山して次の登山口へ移動する日。

お互いの無事を祈りつつ、眠りについた。


7/30

わたしが起きると、すでに彼女は出発の準備を終えていた。

「絶対に無理はしませんから!ダメだったら今日はキレット小屋に泊ります」

そう言って彼女は出発した。

八峰キレットは難所、彼女が無事に通過できるように祈った。

わたしたちは5時からの朝食を食べた後にすぐに出発。

遠見尾根方面に向かおうとしていたところ、

「遠見尾根は熊が出るから気をつけんね。3年前に襲われた人おるぞ」と、おじいさんに言われた。

そこまでは調べてなかったよぉ。母も私も熊鈴を忘れていた。

襲われた人はソロだったらしく、二人でしゃべりながらだったら大丈夫かなぁと思いながらも少し不安になった。


そうこうしていたら、「唐松岳方面ってこっちですか」とソロの男性に声かけられた。

そうですよと唐松岳までのコースを教えてあげると、

「今日下山なんですけど、唐松岳まで行ったら遠回りですかね?小屋の人には遠見尾根から下りた方がいいって言われたんですけど」と。

コースタイム的にも遠見尾根からの下山のほうが早いし楽ですよと言うと、

「じゃあ、遠見尾根から下山するか」と

一緒に下山することになった。

男性が一人増えただけで、なんと頼もしいことか!


彼は同年代でおしゃべり好きな、なごみ系。

「友達からもどんくさいって言われるんっすよ」と言ってた。

彼も「はしご登山」をしてここまで来たらしく、

早月尾根から剱岳に登って、雷鳥平に降りて、アルペンルートで扇沢まで行って、鹿島槍経由で五竜まで来たと。

楽しくおしゃべりをしながら歩いていると、あっという間に時間が過ぎていった。

時々後を振り返ると、五竜岳がまた違った表情を見せてくれた。
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結局、熊の心配は無く

五竜テレキャビンに乗り場到着。
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彼も高山植物が好きらしく、今回の北アルプス登山に合わせて買ったという一眼レフで花々を撮りまくっていた。

そしてテレキャビンで一気に下降して、地上に着いてしまった。

五竜エスカルプラザに行くと、温泉がオープンする10:00ぴったり。

3人で、「朝のこの出会いから、温泉の時間までタイミングがぴったりすぎですごくない?」と笑った。

温泉ですっきりした後、一緒に御飯を食べた。

彼は五竜から新宿行きの高速バスに乗って帰り、わたしたちはJRとバスで中房温泉に向かった。

一期一会ではあるかもしれないが、こうした山での人との出会いはとても大切なものだ。

彼とはまたどこかの山で会うかもしれないね~なんて母と話した。




常念山脈編 1日目につづく。



八峰キレットから鹿島槍に向かった女性は、その後どうなったのか・・・とても心配になったので、長野県警のHPで山岳事故の確認をしてみた。
彼女が鹿島槍に向かった日は鹿島槍周辺での事故は無く、きっと無事に下山したのではないかと思う。



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by takaayanoyamatabi | 2015-08-07 17:45 | 北アルプス

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